歯が痛い時の原因④
前回はクラックに関してお話しさせて頂きました。
今回は根尖性歯周炎についてお話しさせて頂きます。
根尖性歯周炎とは?
歯の根尖に膿がたまる状態のことを言います。膿が溜まることによって噛んで痛い。何もしなくても痛い。歯茎を触ると痛い、顔が腫れたなどの症状が出ることがあります。ただほとんどの場合は何も症状がでず、膿が溜まっていることに気づかない患者さんが多いです。歯医者さんでレントゲンを撮って、指摘されて膿が溜まっていることを初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。
なぜ歯の根の先に膿が溜まるのか?というところを考えていきます。
歯の神経が生きてる歯(健康な歯)は根の先に膿が溜まることはありません。根の先に膿が溜まるときは、神経が死んでしまっている歯や、一度神経をとった治療済みの歯になります。
根の先に膿が溜まる原因としては
神経が死んでしまっている場合
→中の神経が腐敗し、腐敗した神経に細菌が繁殖してしまう。この場合は中の腐敗している神経を綺麗にとって上げることにより、根尖からの膿は無くなっていきます。
神経を取った治療済みの歯の場合
→神経の入っている部屋を根管と言います。根管は人によって違う形をしており、迷路のような複雑な形をしています。リーマーと言って細い針のような器具で根管を綺麗にしていきますが、細い針では迷路のような根管を綺麗にするのは難しく、一部取り残した神経に細菌が繁殖して根尖から膿がでくる状態です。何を言いたいかというと「2回目の神経の再治療は非常に難しい」ということです。神経の再治療が厄介なところは再治療しても病気が治らない可能性が高いところにあります。なので1回目の神経の治療で根管の中をなるべく、無菌状態にすることが大事になってきます。
無菌状態にするためには
→清潔な器具を使う。
→ラバーダム防湿をする。
この2点は最低でも必要かと思います。また根管治療は長くやったから良くなる訳ではありません。根管を綺麗にし終わったらすぐ最終的なお薬を詰める。それでもよくならない場合は、根管治療の専門医に診てもらうor抜歯という選択肢になります。まだまだ根管治療専門医も多くはないので、かかりつけの歯医者さんに相談してみると良いでしょう。
以上が根管治療のお話しになります。一番大事なことは根管治療をしないこと→神経を抜かなきゃいけないような大きな虫歯をつくらないことが何よりも大事になります。是非、日々のブラッシングと定期検診を頑張っていただけたらと思います。