歯が痛い時の原因③
前回、歯髄炎に関してのお話しをさせて頂きました。
今回は虫歯が原因ではないのに歯髄炎になる原因、クラック(歯のひび)に関してお話ししていきます。
②クラック
クラックとは何かというと歯の表面から象牙質や神経の中の部屋までひびが入る状態を言います。
クラックに関しては実体験がありますので、実体験をもとに書かせて頂きます。
ある日、食事をしていて、右下に鈍い痛みを感じました。その日は右で噛むと痛いので右を使わずご飯を食べていたのですが、次の日には右で噛んでも痛く無くなっていました。歯の痛みのことなどすっかり忘れて生活していた頃、また右で噛むと鈍い痛みがあり、知り合いの先生にみてもらいましたが、特に虫歯にもなっていないし異常はないとのことで経過観察になりました。それから右で固いものや弾力があるもの(パンの耳など)は痛くて噛めなくなりました。
それから月日は流れ、朝起きると何もしていないのに右下の歯が痛くなるという状態に。自分は歯科医師なので、痛みをとるためには歯の中の神経を抜かないといけないと察知しました。
上の現象で何が起こっていたかというと、最初の鈍い痛みを感じた時に歯の表層にひびが入り、そのひびが象牙質まで達した→噛んだときに歯に圧力がかかってヒビが広がる→つまり噛んで痛いという現象になったと思われます。そのヒビの深さが歯の表層→象牙質→歯髄まで達して神経を抜かないといけなくなった。
では歯のひびを予防するためには?
・マウスピースをして寝る。
夜に歯ぎしりや食いしばりをすると歯にヒビが入りやすいです。夜の噛みしめの力は自分の体重ぐらいの力がかかると言われています。歯への負担軽減のためにマウスピースは効果的です。
歯にヒビが入ってしまった場合は?
症状として弾力があるものを噛むと痛い。お水にしみる。など症状が出てきます。このような症状が出てきた場合は歯医者さんで診てもらい、もしクラックが入っているようであればクラウンをかぶせる事をお勧めします。クラウンをかぶせる=歯にヘルメットを被せるようなイメージになります。ヘルメットをかぶせることにより、噛む力から歯を守るだけではなく、ヒビが開く事を防ぐことができます。ヒビの進行を防ぐ唯一の手段と言って良いでしょう。
注意点としてクラックの診断は非常に難しいです。目で見ても確認できないヒビをマイクロクラックと言います。このような場合は経過を見る歯医者さんも多いです。クラックが見つからなくても症状が疑わしい場合はクラウンになるべく早くしてあげたほうが、歯自体の寿命は長くなるでしょう。
まずは歯にヒビを入れないことが大事になるのでマウスピースから始めるのが良いでしょう。